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2016/08/10

野獣の哀愁

 リオデジャネイロ五輪第4日(8日=日本時間9日、カリオカアリーナ)女子57キロ級で前回ロンドン大会金メダルの松本薫(28)=ベネシード=は3位決定戦で連珍羚(28)=台湾=に優勢勝ちし、銅メダルを獲得。地元ブラジルのラファエラ・シルバ(24)が制し、開催国に今大会初の金メダルをもたらした。日本は男子73キロ級で大野将平(24)=旭化成=が優勝し、ここまで男女6階級すべてでメダルを獲得した。

 準決勝はわずか24秒で一本負け。日本女子4人目となる五輪連覇の夢は散り、松本は畳の上でうずくまった。銅メダルはせめてもの意地だった。
 「悔しさと、メダルを取った安心感と…。銅かあ、と。甘酸っぱい」
 一瞬の隙をつかれた。開始早々、過去3勝1敗のドルジスレン(モンゴル)の背負い投げに「全然効いていない」。油断からか、再びかけられた背負い投げを完璧に食らった。鋭い眼光と、闘争心を前面に押し出す姿勢からついた「野獣」のニックネーム。その牙は抜かれ、目を赤くした。
 「最初の投げを防ぎ、大丈夫と思ってしまった。試合中に大丈夫ということは絶対にないはずなのに。腹の中は煮えくり返っていますよ」

 2012年ロンドン五輪は日本勢でただ一人、金メダルを獲得。その後は右肘や右肩のけがに加え、椎間板ヘルニアで1年以上休養した。「引退を考えたことは10回以上」。折れそうになる心を奮い立たせ、戻ってきた大舞台だった。
 代表最年長の28歳は苦闘から一夜明け、ジャパンハウスでの会見にすっきりした表情で現れた。銅メダルを再度「甘酸っぱい気持ち」と表現した後、32歳で迎える東京五輪については「出たいよね、出たい」と繰り返した。
 (16.8.10『サンケイスポーツ』

言葉にはされないのかもしれないが、日本のお家芸柔道の選手として、

「金メダルで当たり前」

の雰囲気を周囲からかもされる中、3位決定戦に進むことになってしまった選手の悔しさとか身の置き場のなさ、そしてそれらを全部切り替えて戦わねばならぬ精神の状態などは、想像を絶するものがある。


そんな試合前の松本さんの姿、そしてそれでも変わらぬかの鋭い眼光を見ていると、グッと来るものがあった。

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