龍魂継承
“ミスタープロレス”天龍源一郎(65)が15日、東京・両国国技館で引退試合を行った。新日本プロレス所属のオカダ・カズチカ(28)と60分1本のシングルマッチ。試合はレインメーカーからの体固めで敗れたが“昭和のプロレス”の魅力を存分に見せつけ、39年のプロレス人生に幕を閉じた。
黒いトランクス姿で最後のリングに上がった。超満員のファンで埋め尽くされた館内からの「天龍」コールに後押しされ、必死の形相でオカダと戦った。そんな天龍を破ったオカダは試合後、横たわる天龍に向かい、深々と一礼し最大の敬意を表した。
「負けたー!」。マイクを手に悔しそうに雄叫びを上げた天龍。最後まで闘争心の塊だった。セレモニーでは「皆さん、俺は本当に、腹いっぱいのプロレス人生でした。これ以上望むものはありません。ありがとうございました」とファンにあいさつ。
館内に鳴り響く10カウントとともに、リングに別れを告げた。(後略)
(15.11.15『スポニチアネックス』)
天龍源一郎のスゴさは、天龍革命や鶴龍対決、日本人唯一の馬場・猪木からピンフォール、あるいはWARにおける新日本との対抗戦など…
もちろんその熱くゴツゴツしたファイトや、素晴らしい実績もあるけれども、
何よりもレスラーとして・人間としての柔軟さと、懐の深さにあると思うのだ。
業界に新しい風を起こしたSWS、
“邪道”大仁田厚との抗争、
エンターテイメントFMWでのハヤブサ化、
前代未聞の神取戦、
ハッスル、
天龍projectでの活動、
そして今日のメインでのオカダ・カズチカとの一騎打ち、など、
上から下・右から左まで斜に構えることなくプロレス界を見回し、外様でも後輩でも、自分が認めるものは認め、自らそこへ飛び込んで行った。
そしてそこで全力で戦った。
由緒正しき大相撲出身でプロレスの重鎮となりながらも持ち続けた、このファイトスタイルとは真逆のプロレス脳のやわらかさ…
これは決して誰にもマネできないことだろう。
今日の国技館には、その証明のように、有名無名様々なところからたくさんの所縁ある選手が集結した。
大将が渡り歩いてきたからこそ、“龍魂”は、プロレス界の様々なところに継承された。
そしてこれは、これからも、生き続ける。
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コメント
多くの人が一面性しかないわけでなく、心に武将が宿っていたり、心にミッキーマウスが住んでいたりする…そんなふり幅が人間らしさかと思います。
天龍の核たる部分はシリアスな戦い。ですが、バラエティーあふれる質があるから大ハヤブサとかできたのだと思いますね。
そんな魅力あるふり幅で、引退後も元気な姿を見たいですね。
今の天龍を晒したからこそ、グッと迫る引退試合でした!
投稿: ばーにんぐK | 2015/11/24 23:55
ばーにんぐKさま、こんばんは!
「今の天龍を晒す」…確かにそうですね。
あれだけの大御所になりながらも、必死に今のプロレスに、オカダに、そして自分に、食らいついていく姿…グッときました。
どんな場面でも心からのプロレスがあったからこそ、絵になったんでしょうね!
引退後も様々なところで見れたら嬉しいですねっ。
投稿: かんげ | 2015/11/26 10:19