ただの泥棒
復興予算の“流用”は枚挙にいとまがないが、さらに驚くべき来年度予算の目玉が、「宇宙開発利用関係予算」である。
内閣府宇宙戦略室が9月に発表した来年度の宇宙関係予算に関する資料を見ると、なぜかそこに復興予算から「22億円」と明記されている。震災と宇宙。何の関係があるのか。
「災害時に有効な衛星通信ネットワークの研究開発」に15億4800万円を計上した総務省・宇宙通信政策課に尋ねた。
「これは被災地向けに、衛星通信を受信するための小型衛星局を整備する費用です。衛星自体は、企業や自治体などが持っている既存のもので、予算は被災地に小型衛星地上局を置くための予算です」
――被災地ということですが、何県ですか?
「……全国防災です」
――えっ、さきほど「被災地に置く」といったじゃないですか。
「いや、将来の被災地に置くということです。車で運べる可搬型なので、場所は特に決まっていません。大人2人でどこにでも持って行けます。ですから、大規模災害が起こった場合、すぐに持っていくことができます」
どう考えても苦しすぎる言い訳である。
(12.11.7『NEWS ポストセブン』)
別に政治家がホテルの高級カツカレー食べようが、出張先でスイートルームに泊まろうが、かまわない。
国民の代表者として真摯に仕事をしているのなら、これくらいの特権は当然だ。
だけれども上記のように、おかしいとわかっていながらあれこれこじつけし、我々をダマすようにして、税金を別の用途に使うことは、何があっても許されない。
しかも大規模で、組織的犯行。
まさにこれこそ国の“ムダ遣い”で、政府がずいぶん前から無くす無くすと言いながら、全く変わっていないことにがく然とする。
これがまかり通るのなら、復興予算で、今夜の私の飲み代を払ってもらいたい。
「終電までお酒飲んで、気持ちは元気、体力は減退。」
↓
「癒されたい…温泉に行きたくなる。」
↓
「そうだ、東北に行こう。」
ホラ、被災地に経済効果あるじゃん。
まだコッチの方がまっとうだ。
震災直後のあの悲しみや辛さ。
そこから発生した国民の思いやりの心。
そして生まれたはずの、復興予算。
…全てを忘れたのだろうか。
厚顔無恥も甚だしいこの行為が、なぜ税金泥棒とされないのだろう。
そしてこういうのは、重い罪に問われないものなのだろうか(税金の着服は極刑でもいいと思う)。
本当に腹が立って仕方がない。
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