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2009/10/30

美学

 人情話を得意とした落語家の三遊亭円楽(さんゆうてい・えんらく、本名吉河寛海=よしかわ・ひろうみ)さんが29日午前8時15分、肺がんのため東京都内の自宅で死去した。76歳だった。東京都出身。葬儀は近親者と一門のみで行い、後日お別れの会を開く。喪主は妻和子(かずこ)さん。
 東京・浅草の寺の四男として生まれた。1955年に六代目三遊亭円生に入門し、全生を名乗った。62年に真打ちに昇進し、五代目円楽を襲名。立川談志、古今亭志ん朝らと並んで「四天王」と評された。また、66年に始まったテレビ番組「笑点」でも、初代の大喜利メンバーとなり、「星の王子様」と自称してお茶の間の人気を集めた。
 「薮(やぶ)入り」「文七元結」など名人と呼ばれた師匠譲りの人情話を得意とし、筆頭弟子として円生一門を引っ張った。78年には師匠の円生らと落語協会を脱退して落語三遊協会を設立、話題になった。師匠の死後も落語協会には戻らず、85年には私財を投じて寄席「若竹」を建設したが、4年余りで閉鎖を余儀なくされた。
 腎不全のため晩年は人工透析を行いながら高座に上がっていたが、2005年には脳梗塞(こうそく)で倒れた。その後、復帰したものの、06年に「笑点」の司会を降板。07年2月、国立演芸場で「芝浜」を口演したが、高座の後、「出来に満足できない」として引退を表明。同年11月に胃がん、08年4月には肺がんの手術を受けていた。
 (09・10・30『時事通信』

“引き際の美学”も、“生涯現役”も、どちらも理解できる。

しかも第一線・超一流の人間なら、それを決断できるのは自分自身だけなのだ。

日本テレビで流れた円楽さん晩年の、その間で葛藤している姿は、病気や衰え・己のプライド…様々なものと闘っている、美しい姿だった。

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