0系車両、誰しにも思い入れ
11月末で定期運転を終えた初代新幹線「0系」の引退式典が14日、JR博多駅であった。12月に入り3日間だけの「さよなら運転」の最終日で約1600人のファンが集まり、夢の超特急として昭和の高度経済成長を象徴した「団子っ鼻」に最後の別れを告げた。(後略)
(08・12・15『西日本新聞』)
以前にも書いたけれども、鉄道ファンなど無生物を愛する心理というものは美しい。
声をかけても応えてくれるわけでなく、そのファンからの一方向からのアプローチは、まさに無償の愛。
だからこうしてそんな思いに応えるようなイベントを興したJRは素晴らしいし、ファンにとっても本当にたまらないことなのだろうなぁと、テレビの向こうで号泣するおじさんを見ながら思っていた。
そういえば私も今年、0系車両に乗っていた。
それは夏、尾道への道中。
福山駅でこだま号に乗り換えた時だった。
列車が発車すると、ガラガラの車内を、カメラを持ったたくさんのマニアが行ったり来たりしている!
それまで何気なく乗っているだけだったけれど、周りをよくよく見てみると…
イスのシート、車両表示のフォント、扉の質感、窓枠の溶接具合、その全てがレトロで懐かしくてとってもステキ。
私はそれほど鉄道車両に興味があるわけではなかったのだけれども、その雰囲気はたまらなく、彼らのマネをしていっしょになって写真をバシバシ撮ったのであった。
新幹線の絵を描くと、今でも青か緑のラインの、0系の絵になる。
きっと日本国民のうち一定の年齢を超えた世代だと、誰もがそうなることだろう。
それだけこの車両は秀逸なデザインで、何よりたくさんの思い出が詰まっている。
私も駅でこの車両を見かけると、小さな頃の初めて新幹線に乗った時や家族旅行の時の記憶を思い起こされ、ワクワクし、そして少し切なくなっていた。
たかだか電車かもしれないけれど、やっぱりみんな、そうではないのだ。
1つの時代の終焉の日。
寂しさと同時に、思い入れというチカラのすごさ・素晴らしさを実感した。
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コメント
小学校低学年の頃、鉄道電車に夢中でした。何が良かったかというと、特急電車の車名(「あさかぜ」とか…)とその車名をデザインした”顔”の鮮やかさに夢中にさせました。
今は車体の前面に”顔”のついた車輌をあまり見かけなくて寂しいです。(説明がつたないですか…?)
町外れのJR駅はなぜか風情のある駅が多い気がします!
投稿: ばーにんぐK | 2008/12/18 02:09
ばーにんぐKさま、こんばんはー。
“顔”…専門用語ですね!
でも、うんうん。わかる気がします。
今の電車は個性がなくなってきている気がします。
話は飛びますが、街をみてもどのビルも建物も似たものだし…何か世の中が画一化してきているような気がして、寂しいですね。
車両は疎いのですが、駅舎とかそれを含めた風景とかは私も大好きです!
ローカル線を乗り継いで、のんんびり、気の向くまま旅に出る…なんて、夢ですね。
投稿: かんげ | 2008/12/18 20:48