また「食の安全」。
工業用に限定された事故米を食用に転用していた米販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)が農林水産省に、「事故米を2割ほど、正規米に混ぜて出荷していた」と説明していることがわかった。農水省は、取引先に気付かれずにコストを抑える狙いだったとみて、出荷先の特定を急いでいる。政府が事故米を売却したほかの16社についても、食用に転用していないか8日以降、一斉点検する。
農水省の調べでは、三笠フーズが正規米との混合を認めているのは、カビ毒のアフラトキシンB1が検出されたり、水でぬれたりした分で、いずれも「うるち米」。有機リン系の農薬成分メタミドホスが検出された中国産の「もち米」800トンについては、「混ぜていない」と説明しているという。
三笠フーズの社員によると、正規米がタイ産やベトナム産であれば、同じ産地の事故米を精米機にかける前に混ぜることで、取引先に気づかれないよう細工していた。この社員は「企業努力で1円でも安くするためだった。ブレンド米は米業界では常識。味を落とさずに配合割合を考えるのが米屋のテクニックで、その手法を応用した」と話している。
8割の正規米に2割の事故米を混ぜた米は、焼酎メーカーなどに出荷されたとみられる。三笠フーズからの流通経路は、仲介業者から別の仲介業者や米穀店へとつながり、農水省が確認できた分だけでも、加工メーカーに届くまでに最大5段階にのぼる。この過程で、何も知らない業者が、さらに他の米を混ぜてブレンド米とし、全国各地で販売されたおそれがある。
三笠フーズ関係者は事故米の食用への転用について、「(同業者は)どこでもやっている」と証言している。このため農水省は、過去に政府の事故米を購入した、ほかの16社についても、事故米をどのように販売したか詳しく調べる。
(08・9・8『asahi.com』)
食にたずさわる業者、すなわち食の“プロ”という信頼の世界において、それをあっけなく裏切られた加工業者には同情する。
しかも今回の場合は、企業や消費者の信用を裏切っただけではなく、毒の入った食材を意図的に流通させるという、殺人行為・テロ行為。
これは「企業努力」とは言わない。
「犯罪隠ぺい」と言うのだ。
一連の餃子事件の後に、これをできる神経が理解できない。
お金を儲けようとした結果のようだが、傍から見たら愉快犯による犯罪にしか見えない。
この事件、こういった見地から裁くことはできないのであろうか。
“事故米”なんて存在、恥ずかしながら今まで知らなかったけれど…殊に米に関しては、日本人は誰よりもプライドを持って扱っていると勝手にイメージしていた。
しかしやっぱりどこの業界にも、それ以前の問題、犯罪者が巣くう場所が、あるのだなぁ。
とにかく農水相には、一刻も早く全流通経路の特定をしてもらいたい。
何かがようやく収まったかと思うと、また提起される、「食の安全」って問題。
我々はいつまで経っても進歩していない。
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