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2008/05/30

伝統と信頼と絶妙なバランスで成り立っていた特殊な世界、だから輝いていたのに。

 日本相撲協会は29日、両国国技館で理事会を開き、竹刀で弟子に暴行を加えた協会理事の間垣親方(元横綱2代目若乃花)と、若手力士を中華料理用のお玉で殴って負傷させた十両の豊桜について、それぞれ3か月、30%の減俸処分とした。豊桜の師匠の陸奥親方(元大関霧島)も監督責任を問われ、けん責処分となった。
 九重広報部長(元横綱千代の富士)は間垣親方の処分について、「弟子に対する行き過ぎた行為と、『どの部屋でもやっている』などの誤解を招く発言で、協会に多大な迷惑をかけたから」などと説明した。
 この問題は夏場所中に発覚し、時津風部屋の傷害致死事件を契機に発足した再発防止検討委員会が間垣親方らを厳重注意していた。 (08・5・29『読売新聞』

格闘技の世界では昔から、“かわいがり”という風習があるのは周知の事実である。

師匠や兄弟子から一方的に暴力をふるわれるのは、確かにひどく理不尽だ。
だけれども、それによって若い選手は肉体も精神も鍛えられる。

この世界は、選ばれた・超人的な者だけが華やかな表舞台に立てる、特殊な世界。
鍛えられ方も同様に特殊なのだと思う。


このような非科学的で精神論的な練習について、スポーツ選手側が語った言葉には、雑誌『Gリング vol.6』における前田日明の言葉などがある。

 気持ちを強くするんだよね。肉体のトレーニングであっても気持ちのトレーニングなんだよね。
(中略)
 一つの練習を何百回も繰り返しても意味が無いとか言うんだけど、それだけだと体が出来ても気持ちは出来ない。そんな合理的な肉体のトレーニングしかしないから、リング上で後ろ向く奴が出てくるんだよ。俺らのときはたとえ負けたとしても絶対後ろなんか向かなかったよ。(『Gリング vol.6』「前田日明インタビュー」)

大いに納得するものである。
“かわいがり”は、大昔からずっとくり返されてきた、格闘技界の風習の1つだ。

もちろん、大ケガや死に至らしめる暴力は問題外であることは付け加えておくが。


そんな中、一連のニュースを見ていると、
弟子を守り切れない師匠。
すぐ音をあげる若手。
うるさい外野。

何かあの、我々が尊敬し応援していたすごい世界のこととは思えない。
すごくガッカリだ。

未熟な人がいたおかげで、そして第三者の力が介入することによって、何か伝統的なもの・バランスが崩れ、地に堕ちる気がしてならない。


この現象、何か昨今の学校・教師と生徒(そして親)の関係とダブる。

理不尽な社会の、その縮図である教室にはもちろん理不尽なことはあって。
だけれども子供達はそれを経験して、学んで、成長する。

しかし今では、ゆき過ぎた教師の存在、信頼を持てない生徒・その親の存在。
そして「体罰だ!」などとすぐに騒ぎ立てるマスコミや教育委員など、介入する第三者の力によって、一部のそのバランス・関係性は崩壊してしまっている。


この後、土俵の世界はどうなるのだろう。

セクハラ横綱とか、新弟子にへつらう親方とか、すぐ「訴える!」と叫ぶ新弟子や、“モンスタースモウレスラーペアレンツ”とか。

そんなになったら…心配だ。

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コメント

どの世界でも愛の鞭が必要だと思います。思うがゆえに、厳しく。それがかわいがりだと思います。
ただの暴力としかいえない問題外な親方や兄弟子に指導の資格はないです。心技体揃ってこそプロだろう!と腹立たしい問題ですね。

投稿: ばーにんぐK | 2008/05/31 01:23

ばーにんぐKさま、こんばんは。

愛のムチは、わかるんです。
でも、なんでそれがエスカレートしたり、誰かのせいにしたり、してしまったりするのでしょう。
そこが“思うがゆえに~”からかい離していると思うんですよね。

何も考えず、感情をコントロールできない人なんて、確かにプロとは…言えないですよね。

投稿: かんげ | 2008/06/01 21:10

叱るのではなくて諭すのですよね。
頭と感覚・・・低年齢化が進んでます。苦労しなくなったからかなあ。
やっぱり、若いうちから苦労した人は違います。やさしさがあります。

素敵な大人になりましょう!!

あ、そうそう、かんげさん、私、ブログ閉鎖することになりました~。
また、気が向いて別のテーマで再開することになったら是非遊びにきてくださいね。
私は変わらずちょくちょく遊びにきますよ~!!

投稿: まんちゃん | 2008/06/02 17:25

まんちゃんさま、こんばんは。

真逆の言葉かもしれませんが、それでも愛ある暴力と言いましょうか…それは、あると思うんです。
でも最近ではそこまでの関係性ってあまり無いのかもしれませんね…そこまで行くまでに破綻してしまうのか、そもそも無いものなのか。

めんどくさがったりクールを気取ったり、私も含めて「大人になりきれていない」といえば、確かにそうなのかも…。


おやまぁ突然のことで!ちょっと心配…。
何の信念も無いこのブログは、いつまでもここにありますから、変わらずお付き合いいただければ嬉しいです!
もちろんブログ再開の時は、お知らせくださいねっ。

投稿: かんげ | 2008/06/02 19:02

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