街の品格
日本テレビ『スッキリ!!』で、地元商店会が母体の“渋谷センター街パトロール隊(SCGP)”の特集が組まれていた。
センター街での客引き、公道に商品や看板をはみ出して陳列している商店、たむろしている若者達…その全てに対して、制服を着用した大勢の隊員が、
「今すぐやめろゴラァ!」
「ルールを守れゴラァ!」
と、取り囲んで、まるで恫喝しているような姿がテレビから流れていた。
何も知らない若者に突然ケンカ腰でつっかかったり、大声で怒鳴り散らして野次馬を集めたり、店の商品を勝手に破棄しようとしたり…隊員はまさに“自己正義をふりかざしている”状態。
客観的に見ると、どちらがルールを犯しているのか…小学生でも首をひねるような光景であった。
お店の宣伝をしていたかわいい気ぐるみにも、
「中のお前と話してるんだよ!頭取れ!」
と怒鳴り、空気を全く読まずファンタジーをぶち壊し。
店の裏でやれ!
もちろん彼らの理念は賛同すべき部分が多いにある。
だけれども、VTR終了後司会が「わざわざ波風立つような言い方しなくても…。」と言っていたが、まさにその通りだ。
もっといい方法があるというのに、なぜ彼らがあれほど暴力的で短絡的な行動をとるのかが全く分からない。
それは番組を見ていたほとんどの人が感じたようで、ネットで検索してもいい言葉が出てきたためしがないほどだ。
ルール違反を犯している人間がそれに気付かず、あろうことがそれを正義の所作だと思い込んでいる光景には、不快感を覚えずにはいられなかった。
“目には目を”。
ルール違反に対してルール違反で対抗するのは…と、このような論議は散々されてきたことで、今さら言うことでもないだろう。
上から押しつけるこんな行為だけでは、街が浄化されることは、決して無いと思うのだ。
街の先が思いやられる。
このSCGPに属するのは、50代以上の中年男性。
「元気の無いと言われるオヤジ達が、ここでは怒り、若者を怒鳴っている!」
そんな光景が番組的にはネタになるようで、ちょくちょくとワイドショーやニュース番組で取り上げられているようだけれども…街を守ろうという人達がこれでは、センター街が品位の低い場所であることの宣伝にしかなっていないと思うのだ。
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
同意します。
投稿: しょうじ | 2007/12/05 22:55
しょうじさま、重い一言ありがとうございます!
彼らが早く気付いてくれることを願います…。
投稿: かんげ | 2007/12/06 19:56