『週刊ゴング』、一時休刊
二転三転する報道→公式発表を経て、正式に決定した“週刊ゴング一時休刊”。
冬の時代が終わりを告げ、ようやく上向きになり始めたプロレス界だが、このニュースはあまりにも衝撃的だ。
私は、かつての新日本による取材拒否時代からどちらかといえば“週プロ派”であった(新日本に傾倒し過ぎる『ゴング』に嫌気がさしたのだ)のだが…やはりこれを聞いた時はショックであった。
プロレスは何よりも見る側の感性に左右される格闘技。
同じ試合でも、見る人によって全く異なるものになる。
だからこそ、プロレスについて考え、他者と語り合うことは至上の喜びだと言われている。
だからこそ、プロレスを報じるもの・プロレス誌は、それが偏ってしまわないように1つではいけないのだ。
『ゴング』の休刊は、ゴング派にとっても週プロ派にとっても…プロレス界全体にとって大ダメージなのだ。
『ゴング』今週号での、お笑い芸人・ハチミツ二郎の連載が印象的であった。
そこあったのは、いつものような笑わせるための文章ではなく、辛らつに新日本プロレスへ対する批判…ではなく、愛ゆえの熱い思いが、ストレートにぶつけられていた。
「武藤も西村も藤田もケロも、新日本に戻って来い!」
それはプロレスファンだったら、もはや絵空事であるとわかっていることなのに…だけどこのゴング最後の連載に際して、彼の内から湧き上がる、どうしても叫ばざるを得なかった思いのように感じられ、心を打った。
仮にそれがもし不可能でも、オレは新日本を応援し続ける。
(中略)オレをプロレス会場で見かけたら気軽に声をかけてください。オレたちは同じプロレス・ファンなのだから。(『週刊ゴング』平成19年3月28日号)
狭いプロレス界では、選手もファンも、そしてマスコミも…全員が、“プロレスというものの一部”であるという連帯意識がある。
プロレス専門誌一筋でここまでやってきた出版社の、創業40周年を目前に控えての挫折…一連の代表の不祥事だけを見るとしょうがなくも思えるけれど、現場の関係者達の無念さは多少なりとも理解できると思っている。
テリーも大仁田も、長与も長州も…一度引退していながらそれを撤回→復活するプロレスラーは後を断たない。
いやそれどころか、その行為はもはやプロレスラーの代名詞のようになっている。
『ゴング』はどうだ。
引退宣言にも至らない休刊宣言…『ゴング』の、プロレス界の住人として期待を裏切らない復活を、待っている。
「ネバーギブアップ!」
先日藤波が、NHKで熱く語っていた。
「ネバーギブアップ!」
(〈トラックバック〉●「最後の週刊ゴング 」→07・3・15『全日本プロレスが好きだからぁ〜 まざぁ〜日記』
●「【プロレス】残念・・・週刊ゴングが休刊に」→07・3・15『ふたりdeぶろぐ』
●「週刊ゴング休刊に思う」→07・3・14『太陽が見てるから』)
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コメント
はじめまして。トラックバック受取ました。
"プロレス不況"なんて声も多い昨今ですが、盛り上がってるところは凄い熱気がありますので、不況なんて嘘なはずと思っています。
それだけにゴングの休刊は残念です。何としても復活して欲しいです!
投稿: ばーにんぐK | 2007/03/18 23:45
ばーにんぐKさま、こんばんは。
そうなんですよね。会場の熱さは昔と変わらない!
だからこそ、かえってこの事件はプロレス内外に影響及ぼしそうです…。
『ゴング』『週プロ』の2つは、そこにあって当たり前のものだっただけに、喪失感はいっぱいです。
ゴング誌の「レスラーからのメッセージ」を見ていると、尚更、復活を期待せずにはいられません。
投稿: かんげ | 2007/03/19 22:12