それでも、桜は、咲く。
今年の春も、我が家の周り(俗称「カーボン山」と呼ばれる土地)は、八重桜の花に包まれた。
ずっとずっと昔の、ちょうど今頃…新学期に入り、我が家を“家庭訪問”で訪れた中学校の先生が、何十本もの桜が咲き並ぶこの光景を見て、
「桃源郷のようだ!」
と叫んだことを思い出す。
そんな桜をめぐりこの土地で数年前から続いている、マンション建設問題と近隣住民とのプチトラブル、そしてそれらの矛盾と虚しさ…は、去年と全く変わることなく、感じている。
自然を破壊しそこに住まう私達が、
「自然を愛している!」
と恥じらいもなく宣言し、己の愚行を棚に挙げ、他人の同行為は糾弾するという理不尽さ…だからといってこの行為が“悪”でも“不必要”なものでもないこともわかっている…だからこそ、虚しさを感ずるわけなのだが。
一部紙上でも取り上げられた、“横浜市による土地買収→公園化”という、急転嫁の決定から数年が経つが、未だ何も手の施されないまま日々は過ぎている。
公園化となるとある程度の準備期間や、整備がされるのかもしれない。
特に管理…ゴミの問題やトイレ、防犯治安の問題など、市だけではなくもちろん近隣住民のやるべきことは山積みだ。
問題は、日に日に増してゆく。
しかしその間も桜だけは、変わらず毎年、咲く。
今日の桜を眺めているこの時を、最後の平穏の時としてはいけないと思う。
我が家も半世紀以上お世話になっている、この桜達…できることなら、これからもずっと、そっとこのまま、そっとこのまま…。
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コメント
かんげさん、こんばんは。
日本の街の開発に欠けている観点、それは景観を守るという観点ではないでしょうか。対抗策として住民と自治体がお金を払って守っていく、という、なんか不思議な展開が全国でニュースになってますからねぇ。
写真を見てもかなり立派な桜並木。さぞや綺麗なんでしょうね。思わず「桃源郷のようだ!」と叫んでしまう綺麗さを、横浜という街でいつまでも残して欲しいですね。
投稿: 新橋オヤジ | 2006/04/18 23:19
新橋オヤジさま、こんばんは~。
急ぎ過ぎなんでしょうかね。みんな(私も含めて)。
たくさん儲けた分だけ、たくさん無くしてしまったものがあって、
「失敗したな~。」
と後悔すれども後の祭り…でも、今からでも気を遣わなければいけないことは、いっぱいですよね。
“地域開発”の根本的考えを、変えなきゃいけないのかもしれませんね。
八重桜が散ると、いよいよ夏ですかね~わくわく。
あっ、梅雨があるか…じめじめ。
投稿: かんげ | 2006/04/20 00:32