横浜元祖、“牛鍋”を食す。
きのうの集まりのテーマは、“いい大人への一剥け”であった。
ビールとチーズ鱈による野球観戦が、微妙な雨で中止になった結果、せめて夜ご飯だけは「失敗できない!」と、クルーンに出会った元町を離れ一行は、横浜伊勢佐木町にある“太田なわのれん”へ向かったのであった。
日本独自の料理とされている“すき焼き”も、黒船来航と共に牛肉を食べる文化が渡来してきてからのものである。
そしてそのはじまりが横浜で、そしてそのはじまりのはじまりがこのお店の“牛鍋”だというのだ。
創業明治元年ののれんをくぐると、高級料亭か高級旅館かという赤じゅうたんの建物、そして大勢の着物を着た上品な女性達が出迎えてくれた。
「ば…場違い…?いやっ、そんなハズはない!だって今日は“大人”なんですもの!」
4人以上で行くと、ここでは個室に案内してくれる。
ビールを飲み、庭園を見ながら、しっとりと…。
先付け・お吸い物、慣れないコース文化を体感していると…いよいよ真打ち“牛鍋”登場だ!
普段のすき焼きの概念でいると確実に驚かされる、ぶつ切り牛肉と味噌の組み合わせ。
それをちゃんと食べ頃を逃さないように、お店の人が目の前で焼いてくれて、卵の入ったお椀にまでよそってくれるのだ。
はぁ〜偉くなった気分…。
肝心のお肉はしっかり味がしみ込んでいて、やわらかくて、おいしい!
ネギや春菊、しいたけ…定番の野菜もおいしい〜!
おまけにおいしいのは、それを食べ終わった後。
肉と野菜のエキスが十分に出た、深い味わいの味噌を…たんまりとご飯にかけてバクバク食べる(これもちゃんと牛鍋を食べる1つの作法として、お店の人に教えてもらえるのです)!
日本人に、生まれてよかった…。
…とにかくこうして日曜日の会社で思い出しながらブログを書いていても…自然とテンションの上がってしまう、そんなおいしさであった(お腹減ってきたな…)。
お鍋をつくってくれたお店の方も気さくに質問に答えてくれたり、私達の会話に入ってきてくれたり、こちらのお願いを聞いてくれたりと、とても丁寧な接客で満足。
“おいしいもの”には、その食材と調理方法だけではなく、お店の雰囲気やそこに至るもの全てが含まれる。
格調高いお店ではあるけれども、肩ひじは決して張ることなくていい、のんびりおいしくご飯を食べさせてくれる、そんな正しい老舗の姿であった。
剥けちゃった。
とってもおいしいもの食べて、一剥けしちゃった。
(〈トラックバック〉●「男だったら肉を食え!」→06・2・7『サキの日記』)
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