« 悔しい悔しい悔しい悔しい… | トップページ | 偏る日本 »

2005/10/23

おじちゃんおばちゃんを偲ぶ。ウルトラマンを偲ぶ。

隣町まで電車に揺られ、半年ぶりに床屋へ行った。

以前、おらが町には“生協(CO-OP)”があって、その1階のスーパーの上に“理髪部”があった。

おじちゃんとおばちゃんが2人で切り盛りしていたそこに私は物心つき始めた頃に通っていて、順番待ちの時にいつも『ゴルゴ13』の隣にポツリと置いてあった、『ウルトラマン大百科』を読んでいたことを思い出す。
確か…ウルトラマンや怪獣の写真だけではなく、詳細なデータから更には”足跡”のイラストまで記してあったそれは、当時ウルトラマン博士を目指していた私にとってはまさに大百科、たまらないものであった。


そんな私も、小学校に入学すると同時に例に洩れず、”お母さん床屋”に行く(※散髪を理髪店や美容院でではなく、自宅で素人の母に切ってもらうという意、家計の足しにと主に母が子供へ、妻が夫へ行う※他用例:「お母さん銀行」)ことになり、その理髪部へ行くこともなくなっていた。


しかし中学も半ばを過ぎ思春期の訪れと共にお母さん床屋を卒業し、それこそ10年程も時を経て、思い出したように再びそこへ立ち寄ってみると…あの頃の『ウルトラマン大百科』が全く変わらずそこに置いてあったのだ!

『ゴルゴ13』もそのまんま。
イスも天井もそのまんま。
おばちゃんもおじちゃんもそのまんま。
懐かしい感情と共に、私はまたそこへお世話になることを決めたのであった。


お店はいつも近所のおじいちゃん達でいっぱいだった。
料金が安いこともさながら、気のいい店主の人柄もあってのことだろう。
私もよく髪を切ってもらいながら、他愛もない会話をしてもらっていた。
月に1回だかふた月に1回だか、スーパー横の錆びた階段をトントン駆け上がるのが楽く、そして順番を待ちながら、いい年して『ウルトラマン大百科』を相変わらず読んでいた。


そこからまた数年。
通う学校が地元ではなくなり、自然とおらが町への足も遠のいていた時…突然、生協が店舗を閉鎖し町から撤退した。
それはあっという間で、勿論同時に理髪部も無くなり、店主のおじちゃんにもおばちゃんにも、そして『ウルトラマン大百科』にも会えなくなり、私は気付くと床屋難民になっていた。

必然的に、どこか違う床屋にお世話になることになる。それはしょうがない。
でも、どの床屋に行っても必ず思ったことがあった。

「アレ、床屋って、そんなに気持ちよくないものなんだな…。」

髪を切ってもらっていても、ヒゲを剃ってもらっていても、かつてあったトロンと眠ってしまいそうな気持ちよさ…それを感じることができないのだ。
「丁寧じゃないなぁ。」なんて思うこともしばしば。

あの頃通っていた床屋が盛況だったのは、おじちゃんとおばちゃんが人気だったのは、料金も人柄もあったけれど何より、確実な腕のよさがあったからだったのだ。

最近は毎度床屋を出る時に感じる物足りなさがイヤで、こうして床屋へ通う間隔も空いてしまっている。

「大切な人は、いなくなってから偲ばれる。」切にそう思う。

|

« 悔しい悔しい悔しい悔しい… | トップページ | 偏る日本 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

「大切な人は、いなくなってから偲ばれる。」
ホントですね。
私が大好きだったレストランも3軒ほどなくなってしまい、その味が懐かしくて仕方ないです(。´Д⊂)
私は肩こりもヒドイので、時々マッサージ屋さんへ行くんですが、最初に行った実家の近くの所が上手だったせいか、他へ行ってもちっとも満足出来なくて。。(T-T)
マッサージ屋は確実に難民と化していて、転々とさまよい続けています。
ある(いる)時は、それが当たり前で、いつまでも続くものと思っているんだけど、ある日突然なくなると「はっ」としますね。
なくなってからでは遅いんだけど、日常なかなか気が付かないんですよね;

投稿: platinumnail | 2005/10/25 20:51

かんげさん、オタクの始まりを知ることが出来てよかったです。
自分も小学生の頃に通っていた床屋のことを思い出して、懐かしい気分になりました。新橋オヤジの小学生の頃は、それこそ漫画雑誌が刺激的で、自分では買って読めなかったので床屋に行って読むのをすごく楽しみにしていました。チャンピオンやマガジンだったと思います。「ドカべん」「ブラックジャック」「マカロニほうれん荘」「ガキデカ」「エコエコアザラク」「三つ目が通る」「恐怖新聞」などが連載されていて、どれも真剣に読んでいた記憶があります。
どれがどの漫画雑誌だったかは定かではありませんが。あ、「ダメおやじ」なんてのもありましたね。
かんげさんの話って、おじちゃんおばちゃん、とか、隣のおばあちゃんの梅の話とか、古きよき時代のとてもノスタルジックな話が多くて、実はとても共感できてしまうんです。昔はどこでも大人と子供の交流ってありましたよね?暖かく厳しく見守ってくれていた、と言う感じが。
とっても長いコメントになってしまいごめんなさい。

投稿: 新橋オヤジ | 2005/10/25 23:31

platinumnailさま、こんにちはっ。

ですよね〜。イチバン初めに行ったところは比べる対象が無いからその良し悪しがわからないんですよね。
んで、いざ他に行ってみて、気付いてた時にはもう…。

髪はまだしも、肩こりは自分の体に関わる大切なことだから、心配ですね。
いいマッサージ屋さん、見つかるといいですね〜。

こればっかりは”運命の出会い”とかになるのかなぁ!いや…口コミか!

投稿: かんげ | 2005/10/26 14:59

新橋オヤジさま、こんにちは。

『ダメおやじ』なんて知らないー!
それだけわかりませんでした…後で検索かけてみよう。

小さい頃の床屋さんって、マンガがたくさんあったり、買ってもらえなかった週刊誌なんかが置いてあったりするから、ちょっとしたマンが喫茶状態でしたよね!
髪切ってもらうよりも、そっちが楽しみだったりして…。

我が家は、おじいおばあと共に過ごしていたというのもありますし、古くから住んでいるところなので”ご近所付き合い”的なものがまだ残っていて、私も経験していたからですかね…近所の人に怒られたり、怒られたり、怒られなかったり?なんて経験はやっぱりありますね。
自分のごくごく普通のこういう経験が、段々と無くなってきているというのは、寂しいことですよね。

投稿: かんげ | 2005/10/26 15:08

かんげさん、こんばんは。
「ダメおやじ」って見つかりましたか?恐ろしくだめなおやじと恐ろしく鬼の嫁さんの漫画です。テレビアニメにもなった記憶があります。だって歌を覚えてるもん。「だ~め、だめだめ、ダメおやじ♪」って。うっ、これは自分のことか・・・

投稿: 新橋オヤジ | 2005/11/10 23:32

こんにちはー!

『ダメおやじ』、絵だけは見つけました!ダメそう〜!
第一印象は、「俳優の田山涼成さんソックリ!」と…。

けっこうブラックユーモアのマンガみたいですね。
「恐ろしくだめなおやじと恐ろしく鬼の嫁さんの漫画」ってフフフ…。

それに”ダメおやじ”は奥さんだけじゃなく、子供達にもヒドいことされてるみたい。
新橋オヤジさまは…ブログで奥様の話は聞いたこと無いけれど、お子さんの話はたくさん出ているから、平気でしょう!

投稿: かんげ | 2005/11/11 13:11

かんげさん、「ダメおやじ」見つけてくれたんですね。鬼嫁にも子供にも虐待され、会社でも虐待される悲しいおやじなんです。
ところで、やっぱりかんげさんは鋭い!さすが!ブログでかみさんのことはほんのちょっとしか書いていないのは、いつ知れるかもしれないという恐怖心からなんです・・・一応、ブログしているのは知っていますが、どんなブログなのか知らないし読んでないのですが、いつ読まれて何を突っ込まれるかと思うと・・・
あわび坊主くんの騒動のときに、色々せわしなくパソコンで書き込みをしたり携帯メールでやり取りしていたのを見て、「ブログで何してるの?出会い系みたいなんじゃないの?知らない人とチャットみたいなことしてるんじゃないの?」などと誤解されたくらいですから。
ものすごく健全なブログなのに・・・
推測どおり、プチダメおやじです、はい。

投稿: 新橋オヤジ | 2005/11/11 16:04

えー!ナンデ!?
『新橋オヤジの日記』は超健全なブログなのに!
“出会い系”なんて…そんなんじゃなくてねぇ…もっとこう…爽やかですよ!

是非奥様にも見せてあげてください。
いいブログですよ~。

投稿: かんげ | 2005/11/12 15:03

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: おじちゃんおばちゃんを偲ぶ。ウルトラマンを偲ぶ。:

« 悔しい悔しい悔しい悔しい… | トップページ | 偏る日本 »