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2005/08/08

プロレスラーの判断基準

 JDスターが6日、拠点とする「新木場1st RING」で、元所属選手の東城えみが今月4日にリング上でAV撮影を行った件で見解を発表。 
同社は「(昨年退団した)東城選手の活動は一切関知していない」としつつも「使用規約に著しく違反した行為」としてAV製作会社の責任を追及。神聖なリングでの“本番行為”で会場や団体の信頼を失墜させた経緯から「損害賠償、販売差し止め等の法的処置も検討している」と訴えた。 
メーン後、東城とアストレスで同期だった桜花由美がマイクを手に「プロレスに愛情のない人たちのせいでプロレスの価値を落とされて悲しい。私たちはイロモノじゃない!」と涙の絶叫。桜花は「本当はあのリングに上がりたくなかった。死を覚悟して戦っているリングであんな行為をされたら黙っていられない。私たちの気持ちを分かってない」と猛抗議した。(05・8・7『デイリースポーツ』

女子プロレス興行団体「JDスター」のリングと、そのリング常設のホーム会場で、プロレスを引退していた同団体元所属選手東城えみが「勝ったら現役復帰・負けたら即AV撮影マッチ」を現役レスラー(ドレイク森松)相手にし、案の定負け、そのままリング上でAV撮影をしてしまった。
それに対して同団体及び同団体所属選手、そしてプロレスファンから激しい批判が巻き起こっている、というわけである。
ドレイク松森のHPは閉鎖され、団体はAV制作会社に対して訴訟も視野に入れているという。


プロレスラーはユニフォームが裸に近いためか、人よりも“脱ぐ”ことに抵抗が無いように思える。
“現役女子プロレスラーのヌード写真集”なども多いし、また“元女子プロレスラーのAV出演”というものも今まで存在していただろうし、また逆にプロレスを模し“AV女優がリング上で戦う”というものも存在していても、何も波風は立っていなかった。

今回のこともプロレスの興行では無くAVの撮影として行われたことだろうし、会場にいたお客さんも女子プロレスファンではなくAVの撮影を見に来た人達だったのだろう。
なのに、なぜこれがここまでの事件になったかというのは、この東城えみという“元”レスラーが、さも“現役”レスラーであるかのように、実際のプロレスのリング(しかもかつて所属していた団体の)で、実際にプロレスラー相手に、プロレスの試合をし、そしてその神聖なリングの上で…だからなのである。
そもそも「勝ったら復帰」と言っている時点で「プロレス復帰が可能」→「自分はプロレスラーである」と暗示しているようなもので、宣伝のために集められたスポーツ紙の記事では彼女はまるで現役女子プロレスラーのような扱いだったそうだ。
と、いうわけで今回の半現役レスラーによるこの行為で協力体制が敷かれていても確実にあった、プロレス業界とAV業界の境界線が、ことごとく破られてしまった。

吉田豪のように斜にプロレスを見ている人ならともかく、まっすぐに純粋にプロレスを見ている人にとっては、
「女子プロレスなんて所詮格闘技とは程遠い…」
という世間の声が聞こえてくるようで非常に哀しいのである。


私は女子プロレスは詳しくないのだけれどもこの東城えみという元選手、将来を有望視された若手レスラーだったそうだ。
しかし試合中に首の骨を折るという大事故で、引退を余儀無くされたという…。
華やかな世界に未練が残るのもわかるし、そこでAV女優という道を選ぶのも選択肢としては“アリ”だと思う。
しかし、なぜそこで、かつて自分がいたプロレス界に泥を塗るようなことをしてしまったのだろうか…なぜプロレスラーを名乗ったのだろうか…なぜコスチュームを着て戦ったのだろうか…なぜリングを使わなければいけなかったのだろうか…プロレス界に、よほどの怨みでもあったのだろうか…。


長い女子プロレスの歴史は、「イロモノ」と呼ぶ世間との戦いだった。
創成期にあった、会場に来るいやらしい好奇心のみのお客さんの目…それを変えたのはビューティペアやクラッシュギャルズダンプ松本・ブル中野・北斗晶堀田豊田アジャ神取…先人の女子プロレスラー達の激しい戦いや男子顔負けの危険な技、だった。
彼女達が命を賭けて、女子プロレスを、立派な格闘技として昇華させたのである。

なのにそれとは逆行する愚行に、いくら女子プロレスファンではない私でも、腹立たしさを覚えてしまう。


プロレスの世界にはライセンスや統一コミッショナーなどの制度が無い。
だから誰だってプロレスラーという職業には、なれる。
極端な話、私があしたから「オレがリアルプロレスラーだ!」と言い出せば、それだけでプロレスラーなのである。

それはもちろんプロレスにとっていい面でもあり、悪い面でもある。
星の数ほどいる自称他称含めた“プロレスラー”の中には、プロレスファンでさえ首を傾げたくなるような“プロレスラー”がいるのもまた事実、である。
結局、その判断を下すのは私達であり、そこに技術と体力と精神と、何よりプロレスへの愛着とプライドがあるかないかが条件なのだと思う。

(<トラックバック>●「東城えみAVデビューでJDスターが大激怒」05・8・7『悲しきアイアンマン』
●「他のレスラー達の気持ち」05・8・7『怠惰な観察の日々』
●「東城えみAV出演で、女子プロレスとAVの関係は?」05・8・7『女子プロレス&女子格闘技ブログ』
●「東城えみ、負けたら即AV出演マッチで敗戦」05・8・6『プロレス専門BLOG「ブラック・アイ」』
●「元女子プロレスラーAV出演」05・8・6『[混]ミックスランチ』

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コメント

TBありがとうございます。
K-DOJOには風俗出身のバンビがいますし、逆に引退してから風俗に入ったグリズリー岩本のようなパターンもあります。
でも、それは個人個人のことで、直接的にプロレスとは関係ないことです。でも今回のことは、プロレス関係者が関わっているようだし、すごく嫌な感じがします。

投稿: ボンゾ | 2005/08/08 22:59

ボンゾさま、こんにちは。こちらこそトラックバック張らせていただきましてありがとうございます。

そうなんですか…バンビ選手は知っていたのですが、やっぱり引退後そっちの世界に進む選手もいたのですね。
でも、どちらにしてもそれは個人の問題。

今回は組織的な匂いがしてイヤですね…。
JDスターの選手のブログにも「関係者に裏切られた」的なことが書いてありましたし…不況といわれプロレスが情熱だけでなんとかなる時代では無いこともわかってはいるんですが、でもやっぱり、不快ですね…。

投稿: かんげ | 2005/08/09 12:42

今回の真相。
誘いはJDの音響係かららしい。
新間を辞めて生活に苦しんでいるところにつけ込む最低な奴。
名前はタキ何とか。
加えてJDの持ち主の会長も本人に出るよう御願いしたらしいから今回の騒動も全部宣伝のための茶番劇なのかもしれない。
ビジネスだとしても自分が育てたプロレスラーをAV業界へ誘うなんて最低な奴らだと思う。
格闘技やスポーツの世界で選手を赤の他人の男どもに犯させてビデオばら撒いて儲けようなんて。
人間としての良心のカケラもないのだろうか。
本人は彼らのせいで一生消えない傷を背負わされた。

投稿: | 2005/08/26 10:00

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