破壊王追悼、その後。
27日土曜日深夜放送のテレビ朝日『リングの魂・橋本真也追悼スペシャル』は、非常によい番組だった。
決してしんみりとはせず、故人をファンが思い入れを込めて熱く語り合う…プロレスファンのよき姿がそこにあった。
華やかさを度外視し、本当にプロレスを好きな、橋本を好きなタレントを集めた結果だろう。
この番組はかつての“リン魂”スタッフの熱意だったのだろうか。
テレビ番組で、プロレスラーと、プロレスを全く知らないタレントが絡むと、すごく危険である。
ファンタジーの世界に惑わされて、トンチンカンなことを言うタレントが出てくる可能性が高いからだ。
レスラーに手加減して技をかけられたアイドルが、
「あんま痛くなぁ〜い。」
など…(ならば、殺されろ)。
かつての忌わしき格闘技バラエティ番組『ギブアップまで待てない!』での、
「そんなに流血して、すぐ血は止まるんですかぁ〜?」(山田邦子)
「止まるわけないだろ!(怒)」(馳浩)
などもその典型だ。
だからテレビを付けて、そんな出演者の組み合わせがあると、プロレスファンはとてもハラハラしてしまう。
そんなハラハラは、どうやらレスラー当人も同じ思いだったようで、普段テレビでは寡黙な蝶野が、先日の“リン魂”ではずいぶん饒舌に橋本のことを、楽しそうに懐かしそうに話していたのが印象的であった。
これもこの出演者達のおかげだろう。
テレビ番組はやはりプロレスと似ていて、出演者の組み合わせやその間の少しの違いによって、おもしろくなったりそうでなくなったりする。
今回のリン魂は、かつての橋本のIWGP戦くらい素晴らしく、噛み合った番組であった。
橋本逝去から各雑誌が“追悼特集号”を出していて、私も主なものは買っていたのだけれども、白夜書房の『漫画パチスロパニック7・9月号増刊・橋本真也追悼特別号』がなかなかよいデキで、驚いた。
橋本が巻いた各タイトルマッチ、そして武藤・蝶野・長州・天龍など橋本の各ライバルとの全記録など、データベースとしては納得の内容であった。
追悼インタビューは永島勝司。座談会と言う形で竹内×ターザン×吉田のゴング方面仲良し隊も。
しかし何より私がこの本に惹かれたのは、裏表紙の穏やかに微笑む三銃士の写真であった(昨年の“三銃士サミット”での一枚)。
ベースボールマガジン社『週刊プロレス別冊秋冬号・橋本真也緊急追悼特集』は、橋本のレスラー人生を3期に分けてプレイバック。
どこも記者の思い入れの強い、熱い文章が書かれていて好印象であった。
特筆すべきは前夫人のインタビューが掲載されていたこと。しかし…何か読んでいて生々しいというか…辛かった。
他のインタビューは、坂口・藤波の新日本社長コンビ。
日本スポーツ出版社『週刊ゴング8月2日増刊・さようなら破壊王橋本真也追悼号』は、文字の量が多く、読ませるスタイル。
ゴング金沢・ターザン山本他ゴングファミリーももちろん寄稿している。
しかし何よりも問題なのは…裏表紙に広告が載ってしまっているところ。
いくら新日本の携帯サイトの広告でも、前者2誌に比べると、かなりゲンナリしてしまう。
おまけに表紙裏・裏表紙裏にも広告が…橋本の横にいる魔裟斗の姿にさらにゲンナリ(ちなみに『週プロ別冊』では、武藤・蝶野経営のブランド広告が、追悼文入りで、よく考えられて掲載されていた)。
ある意味ゴングらしい増刊号であった…。
(〈トラックバック〉●「爆勝宣言!!」05・8・21『26』
●「爆勝宣言よ永遠に。 」05・8・21『Tomorrow is another day 』
●「破壊王のこと。」05・7・12『その日その日。』)
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コメント
こんにちは。
>忌わしき格闘技バラエティ番組『ギブアップまで待てない!』...
この頃、本当に迷走時期でしたね。にわか新日派だった自分もさすがにサジを投げました。これを境にボクはプロレスから遠ざかりました。ただあの番組は出演者の組み合わせの妙という言葉以前だったような気がします(^^ゞ
投稿: でんでん | 2005/08/23 16:22
こんにちはー。
時代が…時代が早過ぎた、のでしょうかね…。
でも今、『ギブアップ〜』や『リンたま』が復活したら、アニマル浜口ばかりになりそうですね…。
投稿: かんげ | 2005/08/24 09:46